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京極堂シリーズの二次小説(NL)を格納するブログです。
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行葉(yukiha)
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女性
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はじめまして。よろしくどうぞ。

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谷崎、漱石、榎木津探偵とその助手、るろ剣、onepiece、POMERA、ラーメンズ、江戸サブカル、宗教学、日本酒、馬、猫、ペンギン、エレクトロニカぽいの、スピッツ。aph。
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★探偵×女学生

掌編『ある日キスをした』の直後という設定で、
おまけ的ショートショートです。
ややシモネタ風味なので、御注意を。。



 腰に巻かれた華奢な腕の温もりが、優しく、そしてびりびりと強烈に、体の奥深くを刺激して熱を生じさせている。

 女学生君、けっこうマズい。

 今目の前にある、腕の中の薄い肩とか、首の白くて柔らかな皮膚とか、黒い髪から覗く小さな耳とか。
 深く口付けていた時に漏れた吐息とか、耳朶を噛んだ時に見せた潤んだ瞳とか。
 それらが容赦なく、体に熱を起こす。
 
 加えて、彼女は言ったのだ。
 ――好きなんですもの、本当に。

 嬉しい。嬉しくて嬉しくて、思考まで沸き立っていて。

 女学生君、かなりマズい。

 ただでさえ、日頃から柄にもなく我慢と努力をしているのだ。
 まだ若い恋人を、男の情欲で怯えさせないように必死で「我慢」しているし、彼女自ら「恋が成就した先」を求めるように、小出しに快楽を与えると言う「努力」をしている。我ながら涙ぐましい。
 
 でも、それなのに、女学生君。
 君が発破をかけてはマズいだろう。

 瞼で受け止めた唇の柔らかさにまで、体が反応した。
 色恋なんて散々経験してきたいい大人が、手管のいろはも知らぬ少女に煽られている。
 彼女は確かに自分の体にすっぽりとおさまっているはずなのに、どこか持て余している。
 マズい。


「ね・・・、アツい」
 首筋に、彼女の温かな吐息を感じた。


 心臓が止まるかと思った。
 実際はさらに鼓動が早まって、血液を体の隅々(本当に隅々)にまで行き渡らせていた。

「じょ、がくせいくん」
「何です? そろそろ暑いんですが」

 離れませんか?なんていう冷たい言葉は聞こえない。
    
 彼女の背に回していた腕に力を込めて、さらに抱き寄せた。
 細いが柔らかに、身体に馴染む。
 もっと、微細に、彼女を感じることができたら。
 この温かさに埋もれられたら。

 

「したい」



「はい?」
「したいっ」
「したい?」
「すごくしたい」
「したいって・・・え?」
 
 何を、と呟きながらも、彼女は答えを察したのだろう、途端に身体を硬くした。
「し、たいって、何? 何を?」
 ああもうわかっているくせに。
 彼女の柔らかな首筋に鼻先を埋めて、お互いの体温でより濃密になった肌の匂いを吸い込む。
 このままこの肌を舌で味わったら、たぶん止まらない。
 頭の片隅で、そんなことを思った。

「したいって、決まっているじゃないか」

 美由紀の首筋に、唇を当てる。微粒子の汗でしっとりとした感触。
 掴んでいる小さな肩が、僅かに震えた。

 
 僕は君を、君と、
 

「昼寝」


「お昼寝、ですか」
「そう、オヒルネがしたい。そういえば眠かったのだ僕は」

 腕を解くと、彼女はそっと離れてふうと息を吐いた。本当に暑かったのだろう。
 それは美由紀だけのことではない。下半身においては熱っぽい。
 美由紀は赤い顔で不機嫌そうに眉を顰めながら、首筋を摩っている。 
 その仕草に、どこかまだ扇情的なところがある。

 僕はため息を飲み込んだ。

「膝枕」
「はいはい」

 「我慢」も「努力」も、(今このときに関して言えば)楽しいものだ。
 「恋が成就した先」にあるものは、逃げないだろうし逃がさない。(これはずっとこの先も)
 だから、今日はいいかな、と思った。
 何より、本を読んだり昼寝をしたり、思い出したようにキスをして抱きしめ合ったり、ゆったりと天気のいい午後を過ごすのは、とてもいい過ごし方なのだ。
 その証拠には、寝転んで見上げた彼女が、嬉しそうに笑っている。
 
 

 膝枕なんてしたら、この熱が引くはずがない。
 狸寝入りを決め込みながら、また少し憂鬱になった。

 

※ 100217リライト

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うっ……
す、寸止め………ww!!
神サマここはもうイってしまぇと下世話な応援が腐った脳みそから迸りましたが、いやでもこのじれじれ加減がエノミユの真髄!!(としたり顔で肯く鳥
据え膳喰わぬは紳士の証。がんがれ探偵さん(`・ω・´)

でもいつか本懐遂げるお話もキボンでありまつ管理人さま!←切実

先日のコメへのレスありがとうございました!
調子に乗って連続コメしてしまいましてすみません……
2009/09/12(Sat)22:09:52 編集
鳥さま
行葉(yukiha)
コメントありがとうございます!いえいえとっても嬉しいです☆

原作を読んでいると、探偵氏はシモネタ好きそうですが、女性には紳士なんですよね。それゆえにエノミユの探偵氏は焦らされるっていう・・・。不憫。

本懐遂げるお話wも練習中です。もうちょっとかかりそうですが、気長にお待ち頂ければ・・・!!
またよろしくお願いします♪
2009/09/13(Sun) 11:25
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