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京極堂シリーズの二次小説(NL)を格納するブログです。
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谷崎、漱石、榎木津探偵とその助手、るろ剣、onepiece、POMERA、ラーメンズ、江戸サブカル、宗教学、日本酒、馬、猫、ペンギン、エレクトロニカぽいの、スピッツ。aph。
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※クモのネタバレ&管理人の妄想てんこ盛りでお伝えします。


シリーズ中、もっとも大っぴらに謎が残った作品はクモだと思うのです。
私が気になっている謎は以下の二つ。

1.茜のお父ちゃんは誰なのか
2.美由紀はなぜ事件に関わったのか

特に、1の謎はクモを読み込んだ方なら誰しもが一度はつっかかる謎でないですか?
そして2番目は、エノミユ描きとしてのっぴきならない謎でして。

この二つの謎について、
今のところ個人的に、一番しっくりきた「思いつき」を、たらたら綴ってみたいと思います。

※つまり、正解じゃあない、ということを前提にしておりますので悪しからず…!!

 *

クモのラスト。
京極と関君のドキドキ二人旅ですが、
あそこでどうして関君を登場させねばならないかと言えば、言わずもがな、
関君を呼び水にして、未回収になっている謎の解答をするためですよね。

京極は関君との道中~蜘蛛の巣館内のやり取りの中で、珍しく支離滅裂に話題を変えます。
しかし、その話題のひとつひとつは実に無駄なく、謎への解答になっています。
関君は理解したりしなかったりしながら、読者と一緒に謎を回収していきます。
つまり、ここでは新たな謎は生まれないのです。
茜への問いかけさえも、それは読者への解答もしくはヒントじゃなきゃいけないと思うのですよ。

 *

さて、そういったことを前提にしまして、
最初に掲げた二つの謎は、共通のワンシーンがヒントになると思うのです。

文庫版p1372
京極が茜本人に、父親について語りかけるシーン。

「浅田代議士も、渡辺氏もあなたのお父様ではなかった。本当のお父様に就いて――あなたは五百子刀自からお聞きになったのでしょう?」
「さて、曾祖母は毎日介護している私を女中と思い込んでいたようですから――何も」

いっちばん最初にクモを読んだ時…
京極よ、茜のお父ちゃんなんて、結構どうでもよくないか?と思っちゃったんですが…
このシーンは、先の関君と京極のやり取りにある

文庫版p1336
――これは事故じゃなく殺人なんだから、とばっちりなんてものはない。

この科白の補強だと思います。
クモ事件に関わらされた人で、とばっちりなんていないのです。
矢野妙子以外は、皆意図されて事件に関わったということですよね。

京極は茜に、夕子と小夜子のお父さんを挙げて、茜の父ではないと断言しています。
(血液型とかでわかったのでしょうかねぇ…)
ここで気になるのは、
京極が挙げたお父さん候補のラインナップです。
わざわざ、夕子と小夜子の縁者を挙げたのは何でだろうか、と。
クモの主要女学生4人組のうちの2人ですよ?
そのうち、碧は、真佐子様本人が唯一夫婦の子(織作雄之助との子)だ、と明かしているので、
茜のお父ちゃんは雄之助ではないのです。

となりますと、
残り一名、我らがヒロインの名前が浮かび上がりませんか。

 *

美由紀は結局のところ被害者にはなりません。(なったらエノミユ存亡の危機)
なので、京極の言うところの
「とばっちりはいない」の範囲外という可能性はあるのです。あるのですが。
京極や榎木津も意図されて担ぎ出されているのを思えば、
学園内での実質的な探偵役である美由紀も、茜に選ばれてしまったと考える方が自然かなと。

私がずっとわからなかったのは、
どうして美由紀が茜に選ばれてしまったのかということでして。

碧の告発役、というのは、クモ事件においてはかなり大きな役割だと思うのです。
碧が追い詰められ殺害されることによって最終ステージに行き着くわけだから。
そんな大役に、何故、大きくない水産物会社の娘さんが選ばれたのか。

 *

つまりね、茜のお父ちゃんは、仁吉さんなのかもな、と思っているのです。
そうです、美由紀嬢と茜様は血の繋がりがあるのかもね、と。

茜のお父ちゃんの謎=美由紀の事件参加理由

とすると、解答のなかった謎の二つが一気に解けるんですよ。お得です(違う)

美由紀を担ぎ出した茜の狙いとしては…
父親の秘密を知りうる存在を黙らせたかった、
もしくは、父親を遠くへ追いやりたかった、とか、いろいろと想像はできます。

 *

この仮説を仁吉さんと伊佐間さんとの会話中から探ってみます。

仁吉爺ちゃんによると、
真佐子さんが御結婚されたのは大正14年(1925年)だそうです。
事件発生時、昭和28年は1953年なので、28年前のことです。

文庫版p253
「(真佐子の婚儀について)わしはちょいと、ちょいとね。悔しかったがね」
(中略)
「ふふふ、岡惚れしとったの。わし」
 照れている。

仁吉さんは婚儀前後のタイミングで、真佐子お嬢様に惚れていたみたいですよ。
その他の科白からも深読みしようと思えばいくらでもできるのですが…「夜這う元気もねえわな」とか。

茜さんは事件当時、たしか28歳でしたよね。
つまり、仁吉さんが岡惚れしていた時期と被るっちゃぁ被るのですよ。
長女の紫お嬢様は、真佐子さんの実子ではなく、織作雄之助と耕作の奥さんとの間にできた子なので、婚儀前後で茜がお腹にいてもおかしくはないですよね。よね?

 *

と、まぁだらだら長々と書いてみましたが、

とにかく確かなのは、茜の父親は本編中で明かされないってことでして。
特に、このお話は男根主義に怒れる女郎蜘蛛のお話なので、
茜にとって、実の父が誰かというのは、
自分の邪魔さえしなければどうでもよかったのかもしれないです。

まぁ、こんな可能性もあるよね、というお話でございましたv

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