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京極堂シリーズの二次小説(NL)を格納するブログです。
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行葉(yukiha)
性別:
女性
自己紹介:
はじめまして。よろしくどうぞ。

好きなもの:
谷崎、漱石、榎木津探偵とその助手、るろ剣、onepiece、POMERA、ラーメンズ、江戸サブカル、宗教学、日本酒、馬、猫、ペンギン、エレクトロニカぽいの、スピッツ。aph。
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★探偵×女学生


「割れた。壊した。粉砕じゃないか!」


 探偵は、大きな目を悩ましげに細めながら、その表情と不釣合いに明快な調子で言い放った。
 頭一つ分以上背の高い探偵に見詰められ、仰ぐように顔を上げたのは、紺色のブレザーに臙脂のリボンという制服を着た、まだ学生の身分の少女である。探偵の、ガラスか鉱石のような質感の瞳に耐え難い引力を感じるまま、女学生はそれを見詰め返した。

 神田・神保町にある探偵事務所の入り口。時は夕暮れ。
 週明けに提出する課題を片付けていたために、女学生の訪問は普段より遅い時間になっていた。特に約束しているわけではない気ままな訪問である。
 今日、女学生はまだ探偵にこんにちはさえも言いきれていない。言いかけたが、探偵の喚く声に途中で遮られたのだ。
 探偵は女学生の頭上に視線を向けたまま、ゆっくりと眉を顰めた。喚く声に咎めるような色が混じる。

「刺さったな。怪我だ!怪我なんじゃないか!」

 探偵の長い腕から続く白い手、人差し指が、呆然と突っ立つばかりの女学生の足元を示した。釣られて女学生も己の爪先に視線を落とせば、忘れていた右の足裏の傷を鮮烈に思い出した。
 探偵事務所へ向かう道すがら、靴の中でぴりぴりと痛いような痒いような、気持ち悪さだけは感じていた。しかし目に届かない所にあるせいか、それとも思い悩むことに気を取られていたからか、いつの間にか、綺麗さっぱりと忘れていたのだ。足裏に走る赤い血の筋は、完全に開いているに違いない。
 探偵は伸ばしていた腕を胸の前で組むと、いやに真剣なことだけはわかる眼差しをした。

「割って壊すのはいい。でも、そんなに血を流しちゃあ駄目だ」
 凄く痛いし歩き辛いじゃないか。

 探偵は唇の端を噛みながら、顎に指を添えた。何か考えているらしい。
 対峙する女学生は、ずくずくとした痛みの傷の在り処を再び見失いかけた。足が痛いのか、それとも違うところがチクチクと痛いのか。
 人が預かり知らぬ自分の痛みを、極近しい人から指摘されるのは、赤の他人に暴露するよりも恥ずかしかったり辛かったりする。この女学生にとっては、探偵からの指摘は何よりも怖い。

 それは確かに粉砕だった。粉々に割れて壊れた。
 木の床にぶつかって砕けたガラス片が、机のライトを浴びてキラキラと光っていた。
 綺麗なものだな、そうぼんやりと見とれながら拾ったのがいけなかったのだ。
 足元に、尖った大きな破片が転がっているのに気付かなかった。ひやりとした感触を足に感じ驚いて立ち上がると、さらに背筋を冷たいものが駆け上がった。
 右足を持ち上げるてみれば、黒い滴がいくつか床を汚した。
 血はしばらく止まらず、赤い染みを広げていくハンカチを見ながら、美由紀は何故か僅かに心細くなった。泣きたくなったが、馬鹿馬鹿しい気がして、結局涙は出なかった。
 
 しっかりと思い出してしまってから、美由紀は思い出したことを後悔した。探偵は相変わらず美由紀の頭上を視ている。表情は、ない。日頃表情の豊かな人が無表情になると、どこか悲しげに見えるものだと妙なことに関心した。
「あの、大したことはないんです」
 観念して口を利く。探偵に隠し事をするのは、余程頭を使わぬ限り難しいのを、長い付き合いからよく知っていた。
 探偵は、さらに不愉快そうに口を曲げた。
「これは・・・大したことないことはないぞ」
 その間抜けな科白と彼が動くのと、どちらが早かったのか。ふいに、身体が浮いた。
「え・・・ええっ!?」
 気付けば、腰と膝の裏に探偵の腕が回り、一息に抱え上げられていた。
 面前には、曲線を描いて流れる茶色の髪がある。思わず縋りついたのは、仕立てのよいウールのカーディガンの肩と、アイロンのかかったシャツの襟元、そこから覗く逞しい首筋。そして、自分の背や足に、探偵の腕の締め付けや掌の体温を感じた。
 探偵の匂い、体温。あまりに生々しい彼の気配に、眩暈さえ覚えた。
 こんなことがあって―――いいわけがない。
「おっ・・・降ろして!」
 目の奥、頭の芯がくらくらとして、探偵の肩をタップする。
「言われずとも降ろすよ」
 思わず大きな声を出した美由紀に対し、探偵は飄然としていた。美由紀は細身ではあるが、人一人というのは決して軽い荷物ではない。しかし、探偵はまるで愛玩用の猫を相手にするように軽々と美由紀を抱え、大股の早足で数歩進んだ。そうして言葉通り降ろされた先は、よく知った応接のソファの上である。
「足上げてて」
 さらりと探偵が口にした注文は、制服姿の美由紀にとって気が引けるものだったが、傷に障らぬようにという配慮であることも察せられた。
 素直にソファに足を乗せ、傷がある右足に負担にならぬように寝かせる。
 改めて傷に意識を向ければ、どんどん痛みが強くなった。傷周辺が生温かいのは、血が靴下に滲んでいるからだろう。
 探偵は美由紀を降ろすと踵を返し、台所や和室がある奥へと消えた。何をするつもりなのかはさっぱり知れない。
 まさか、手当てでもするつもりなのだろうか。
 そう考えた瞬間に、美由紀は顔から血の気が引いていくのを感じた。
「うん?気分が悪いのか?」
 心因性の眩暈から額に手を当てていると、探偵がガチャガチャと音を立てて戻ってきた。慌てて彼の言葉を否定しながら振り返ると、探偵の片手には木製の薬箱がぶら下がっている。
「てっ・・・手当て、するんですか?」
 馬鹿な質問だと思ったが、聞かずにはいられない。
 探偵は、そうだよ、と馬鹿な質問だと言わんばかりの気軽さで答えた。
「誰が」
「ここには僕しか居ない」
 そう言って一直線に美由紀に近付くと、目前で長い脚を畳み片膝を着いた。その仕草は基本的に乱暴なのだが無駄がなく、大仰な素振りにさえどこか気品がある。
 美由紀はぼんやりと見とれていたが、探偵が薬箱を開くのを見た途端に慌てた。
「じ、自分でできます!やります!」
「だめ。僕がやる」
 探偵は珍しく真剣な顔で薬箱から包帯やら塗り薬らしいものやらを取り出しソファの上に並べていった。美由紀は探偵の明朗な主張に対して、どんな感想を持っていいのかもわからない。
 どうして自分で治療しては駄目で、どこに探偵がやる必要があるのか。
「あの、何で、ですか」
 心底困っているのを隠さない顔で、ようやくそれだけ口にした。
「何が?」
 ふいに探偵の腕が伸び、美由紀の横座りの足首をがっしと掴んだ。間髪入れず、ぽいぽいと革靴を脱がして放る。
 美由紀の猫目が、真ん丸く開いた。
「ちょ、と!?わざわざ探偵さんにやってもらわなくても、自分でやりますったら!」
 思わず脚を引くが、探偵の手は遠慮ない力で美由紀の足首を掴んでいて、はずれる隙はない。当の探偵を見れば、形の良い太い眉で不思議そうな表情を作り、美由紀をしげしげと見ている。
「だから、ここだろう」
 探偵は掴んで持ち上げている美由紀の右足の裏側、土踏まずの上部を指さした。間違いなく、ガラスを踏んだ箇所である。紺色のハイソックスの上からでは見づらいが、確かにそこだけ濡らしたような黒に変色していた。
「自分でやるのは面倒じゃないか」
 当たり前のことを何で言わせるんだと言わんばかりに、首を傾げる。そんな顔をされたら食い下がる方がおかしい気がしてくるものだ。

「それにね」

 探偵は掴んでいた細い足首をそっと離すと、あいた手を美由紀の脹ら脛にかかるスカートの中に、するりと入れた。
 凍り付いた美由紀を一向に気にかけず、探偵はあっと言う間もない間に、美由紀の靴下に指をかけ脱がした。その動作にも微塵の躊躇いもない。
 素足の皮膚に、外気の冷たさと探偵の手の温かさ。それはどこか心細さを感じさせる、感触のコントラストだった。
 このままでいてはいけないような、このままでいたいような。
 美由紀の静かな混乱は、どちらかと言えば後者の気持ちを、否応なく目の当たりにさせられていることによる。触れられてはいけないような、触れていて欲しいような。

「僕以外の人間がここにいたとして」 

 喋る間も、彼の手は止まらない。消毒液の蓋をくるくると回して取る。

「どうしてそいつが君に触るんだ」

 その口振りはまるで、ああお腹が減ったとかああ眠いとかの、当たり前の独り言をたまたま近くにいた人に聞かせたような、単調さだった。
 何てことを言うのだろう。
 美由紀は本気で幻聴か、瞬間的な夢かと思った。
 思わせ振りで、勘違いをしてしまいそうな、何てことを言うのだろう。

 ぐいと足首を持ち上げられ、未だ状況に上手く対応できずにいる美由紀は、碌な抵抗も意思表示もせずされるがままになった。
 掴まれた足は、あろうことか探偵の膝頭を踏みつけるように置かれる。
「なっ!?」
 自分が取らされている体勢のあまりの非常識さに、美由紀は頭より先に身体が反応し、反射的に身を引いた。
 そのはずみで――さらに悪いことに――膝下までかかっていた制服のスカートが滑り落ち、太腿の真ん中まで露わになる。白い肌が、薄暗い事務所の中で鮮やかに浮かんだ。
「ホラじっとして」
 美由紀が慌てて手を伸ばすより、探偵の手の方が早かった。膝下まで隠れるように、しっかり裾を降ろした。それから、己の膝から落ちた美由紀の足をまた無遠慮に掴み、傷口を覗き込んで不愉快そうに眉を顰めた。 
「暴れると傷に障る。それに、できるだけ見ないように努力しているのだから君も協力しなさい」
 それにしても細いなあ。もっと食べなさいご飯。
 探偵の言う「見る」「見ない」の主語を理解して、美由紀は赤面した。
「協力させていただきますがっ・・・結局見ているんじゃないですか!」
 探偵は口の端だけで笑って見せた。
「ふん。タナバタだ」
「…七夕?」
 探偵の言っていることはよくわからなかったが、それより美由紀は自分の恰好を省みて、一瞬視界が霞んだ。二十以上年上の類稀なる麗人、しかも自分が想いを寄せる男、その膝に裸の足を乗せているなんて。
「こんな脚で歩いていたのか」
 探偵は怒った時にするように片目を細めた。
 本当に怪我の心配をしているらしい探偵に、美由紀は少しだけ落ち着きを取り戻す。自分一人だけ慌てているのも面白くない。
「塞がって、いたんです。もう痛くなかったし」
「全っ然塞がってないぞ。ぱっくりだぱっくり。おお見るだけで痛い!」
「見なくて結構です!放っておいても塞がるんですから」
 そう言ってみるが、本当は縫合が必要だったのかもしれないと思った。傷口自体は目立たないし、自分の不注意でできた怪我を一人で騒ぎ立てるのは恥ずかしい気がして、同室の友人にさえも話さなかったのだ。
 探偵の大きな手が器用に動き、ピンセットに取った小さな綿に消毒液を浸した。まったく予告なしに、探偵は濡れた綿を傷口にあてがった。
 冷たい、そして鋭い痛みが、ゆっくりと美由紀の躰を這う。
 探偵が視線を上げる。
 美由紀の唇が悩ましげに震えたのは、痛みのせいだけではない。
 探偵の鳶色の瞳は「記憶」ではなく「美由紀」を見ているのに、まるで心の奥の奥まで見透かされているような気になる。
 美由紀はそっと視線を外して、てきぱきと動く探偵の指先を見ていた。傷薬を塗ったガーゼを傷口に当て、上から清潔そうな包帯を巻いていく。日頃の雑事はすべて和寅をはじめ彼の下僕達に任せている割りに、探偵の怪我の処置は的確で手馴れていた。手を動かす間も、探偵はあからさまに呆れ馬鹿っぽくも馬鹿にしているともとれる口調で喋り続けていた。

 可愛い女の子がこんなに痛そうな怪我をしちゃあダメじゃないか。うっかり怪我をしてしまうのならさっさと効果的な方法で治しなさい。ううん里村がいいかあ・・・変態だけど、縫合は上手いしなあ、仕方ない、後で行っておいで。僕に会いたいという気持ちは察するが、ああ君は馬鹿だねえ、会いたい時に出歩けない場合は呼び出すという手段があるんだぞ知らないのか。

 包帯を結び留めるのと同時に探偵は口を閉じ、への字の口のまま美由紀を見た。
 たらたらと間の抜けたお説教ではあったが、的を得た内容ではあった。だから、美由紀は素直にはいと返事をして頷いて見せ、探偵はその様子に満足したのか、顔を弛緩させた。
 美由紀は、何だか心に釣り針でも引っかかったような気がして、先の探偵の説教を再生させてみる。
 後半、何か言っていなかったか。

 会いたいのは察するが、馬鹿だね、出歩けない時は呼び出せばいい。

 そんなことを、言っていなかったか。
「え?探偵さん」
 美由紀は口を開いて、そのまま、続く言葉を声にできなかった。
 呼び出していいんですか?会いたいと言ったら、貴方は会いに来てくれるんですか?私みたいな、貴方が呼ぶとおり、ただの女学生、小娘なんかに?
 問い質せば探偵は答えるということを、美由紀は知っている。過不足なく、婉曲のない、問いに対しての正確な答えだけをくれる。
 だからこそ、声に出して問うことができなかった。開いた唇を、中途半端に閉じる。
「うん」
 探偵は真剣な顔で、何に対してかわからない返事をした。

 二人は、ほんの僅か、向き合って静止した。
   
 美由紀は治療を終えた足を引っ込めたいのだが、探偵の掌が足の甲に被せられていて、それを退けるのにどうしたらいいかわからない。
 手当て、とはこういうことか。美由紀はふとそんなことを考えた。
 触れられる所が熱い。痛みもない。いつの間にか、戸惑いさえ消えていた。
 この人に触れられるのは心地良い。
 ほとんど同時に、美由紀は自分が酷くはしたないことを考えているように思えた。あまりに近付きすぎている探偵に、思いが伝わってしまう気がして、そっと足を引く。
 まっすぐに向けられる彼の目が、一度揺らいだ。
 引こうとした足を、探偵はほとんど力を入れずに、踵に触れる指先だけで制して、そっと持ち上げた。床に降ろされるという美由紀の予想は、完全に外れた。
 子供に靴を履かせるような仕種で探偵に支えられた自分の足は、やけに小さく頼りないものに思えた。
 ふいに、探偵の背が曲がる。足を、高く持ち上げられた。
 足の甲の、白い包帯の布地に、探偵は顔を寄せた。

 美由紀が感じた微かな微かな体温は、唇だったのか、吐息だったのか。両方か。

 長い一瞬だった。実際に長かったのかもしれないし、まさに一瞬だったのかもしれない。
 しかし、網膜に焼き付くには十分の一瞬だった。
 ゆっくりと顔を上げた探偵は、完全に呆けた美由紀と視線を重ねた。
「はい終わり!」
 そう言って、ぽんと包帯の上に掌を置く。口元には満足そうな、秀麗な笑み。
 美由紀は、今度は遠慮なく探偵の手から足を引き抜いた。ソファの上で足を抱え込み、その拍子に傷が疼いたが、気にかける余裕はない。顔も頭の中も熱く、冷静さなどどこにもない。ただ、やけに潤んだ目で探偵を睨み付けた。
「・・・今のは仕上げね」
「仕上げっ・・・て・・・!」
「オマジナイだ。早く治る」
 すぐだすぐ。来週には治るよ。
 探偵は、にこにこと機嫌良く笑った。あまりに無邪気で、美由紀は怒ることも、ましてや「口付け」と認識することもできなくなった。
 こんなのは――
「ああもう!!」
 美由紀の、鬱憤が散々に詰まった怒声を、探偵は高笑いでかき消して立ち上がった。
「送るよ」
 探偵の言葉に、美由紀は胸の真ん中が痛くなった。
「大丈夫ですよ。まだ明るいですし、歩いて帰れます」
 帰り方の話などしたくない。帰りたくない、とは美由紀にとって最大の我侭で、口にできるはずがなかった。
 探偵は不服そうに鼻を鳴らした。
「歩いたら折角この僕自ら施した治療の意味がなくなるじゃあないか。車を借りるから、君はじっとしていなさい」
 そう言って、探偵は壁に設置された電話に向かった。車を借りるつもりに違いない。
「ああ、はい。すみません」
 美由紀は少しだけ恐縮した。自分が無理をして探偵事務所まで歩いてきてしまったために、迷惑をかけているのだ。浮き沈みを繰り返していた心が、唐突に萎む。
 そんな美由紀の様子に、探偵は手に取っていた電話の受話器を一度戻して、穏やかに笑いかけた。
 ねえ女学生君。
「来週、車でどこかへ行こう?」
 迎えに行ってあげよう!
 美由紀は吃驚して、少しだけ大きな声で、非常に素直に返事をした。
 あんまり嬉しいことがあると、その幸運に、人は驚くものらしい。
 探偵もまた、珍しくも吃驚したような顔をして、それからまるではにかんだように俯いてから、笑った。

 割れて壊して、傷ついて治して、始まったり終わったり変わったりするのは、目に見えるものだけではないらしい。恋愛ひとつとっても、痛い時も辛い時も楽しくて嬉しくて仕方ない時もあるのだ。
 美由紀は某編集社に電話をかけているらしい探偵の背中を眺め、次に己の足に器用に巻かれた包帯を撫でると、自然とにやけてしまう唇を噛んで、こらえた。 



 *

よいお年を。
2010年のすべての恋に、36度の愛情を。

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